以前から登場の待たれていた、フレイザーの新型モデルに乗れるというので、行って来ましたフレイザー九州。なんと言っても軽自動車(DOHCターボ)のエンジンを積み、税制上は軽自動車として登録できるというのが売りです。下記は総輸入元であるゴールドオートがAUTO Jumble40号の広告に載せた一文です。はたして、軽自動車のエンジンを積んだセヴンとはどんなものだったのでしょうか?
ULTRAライトスーパースポーツ FRASER Compact660 |
4輪独立懸架でFRを採用 |
エンジンバリエーションはNAからDOHCインタークーラー付きターボまで |
ミッションも5速、ATとご用意いたしております |
車重も超軽量の400kg強で驚異の走りを是非ご賞味下さい |
車寸法も現行の軽自動車枠内に収めました |
生産型はニュージーランドで最終仕上げ調整中ということで、1台のみのプロトタイプをゴールドオートの三隅社長自ら九州まで持ち込んでくださいました。プロトタイプに積んでいるエンジンは通常のターボ付きエンジン5MTです。この週末、日曜日には九州7MLのOFF会をフレイザー660試乗をメインに行うようになっていました。しかし同じ県内のoceanはちゃっかり前日に行って、ゆっくりたっぷり試乗させていただくことに成功しました。一応、試乗の前には安全を誓う誓約書にサインし、試乗後にはアンケートに答えていただきたいと三隅社長より言われました。自分の意見が社長の考え、ひいてはこの車の将来に多少なりとも関係するかもしれないと思うと、ちょっぴり緊張するような、光栄なような。ただ、今回の車と生産型は重量を含め、多少の修正があるとのこと。今回の車はワンオフという前提で「セヴンに軽のエンジンを載せたらどうなるか」が興味あるところです。
前回のフレイザー2000の発表試乗会の時には、プアなタイヤがついていたため、恐ろしくて全然アクセルを踏むことができなかったoceanですが、今回ついているタイヤは絶対安心のRE540SというSタイヤ。シャシとエンジンとのマッチング具合もヘタッピながら試すことができそうです。(三隅社長によると、全然セヴンに乗ったこともない人が「速いんだろう。」といきなりとんでもないスピードでコーナーに飛び込んだりすることがよくあるので、安心を得るために履いてきたんだそうです。前回自分の目でそんな人を見て冷えたことがありますのでうなずけます。)
乗った感じは「結構速くて楽しい。街乗りなら充分ではないか。オートポリスのような高速サーキットではきついかも知れないが、ツーリングには必要充分だ。」というものでした。オーバーオールギアレシオが低めになっているためか、安心して床までアクセルを踏み込み、8500回転まで回して小気味よくシフトアップすることができます。確かにトルクが薄い印象は否めませんが高速をふっとんでいく車でもなさそうです。フロントが軽いため動きも軽快です。リヤが独立懸架になっているせいか、良く粘り突き上げも少ないような気がします。シチュエーションによってはケントより速く走ることも可能かもしれません。oceanはかなり好意的な印象を持ちました。ただし、ブローオフバルブからの音は結構します。ターボ車にあんまり乗ったことのないoceanは最初「なんだろうこの音?」とびっくりしました。落ち着いて考えると、エンジンのメンテなどは国産の軽スポーツそのもの。今までのセヴンとはひと味違うつき合い方の可能性があるような気がします。
oceanの他にも試乗に来られていたカップルもありました。セヴンに乗るのは初めてだそうで、この試乗後の表情が全てを物語っています。
この日は結構暑かったのですが、楽しく試乗され、「欲しい〜。」を連発されていました。
試乗後、三隅社長、フレイザー九州の野田さんにいろいろお話を伺いました。三隅社長は、「普通のセヴンと同一の基準ではからないでくださいね。速さがどうとかいうよりも別の土俵で勝負したいんや。」ということを話してくれました。その中で思ったことは・・・
私は硬派を目指すセヴン乗りばかりがセヴン乗りではないのではないかと思います。車の整備なんてとても手が出せないけど、セヴンが好きという方もいらっしゃるでしょう。家庭の事情で普通車を2台所有することが難しい人もいるかと思います。でも、「軽」ならセヴンに乗るという夢を実現できるという人も多いのではないでしょうか。確かに「手軽」なことのマイナス面もあるかと思いますが、私はこのフレイザー660大いにアリだと思います。
ただ、手軽さ故に「セブンもどきの安いセブン」といったようなイメージを持たれるのはマイナスだと思います。今までの廉価版というよりも、全く新しい使い方ができるセヴンというのが適切かと思います。この車ならタバコを買いに行く「アシ」にすることも、気のきいたトップとACをつけて毎日乗ることも可能かも。また、レース用セヴンは持ってるけど街乗り用にも欲しいという病気の人にもよいかもしれません。
この車の場合、車としてはOK、最大の問題は「いったいいくらで?」というところに尽きると思います。この車の印象については次の日の九州7MLメンバーの意見も大いに気になるところです。他のメンバーのコメントはいかに。