オートポリスに到着すると、既に多くのエントラントが集まっていました。あれほど私に早く来いと言っていたananさんの姿はまだ見えません(`´メ)まったく。
体が芯まで冷えて辛いです。幸い暖気をしていたトレーラーイトウさんのマシンの上に手をかざし暖をとります。朝の薄暗い中にたくさんのマシンが整列しています。
朝霧が晴れ、陽射しが差してきました。日頃目にすることの少ない車がいっぱいです。スーパーカー世代の私はこれだけでも普段なら興奮するんですが、今日は全くワクワクしません。それは今日のレースに無理矢理参加させられるからです。もとはと言えばananさんが「今いいですか。お願いがあるんです。」と丁寧にかけてきた電話が始まりでした(こんなときは必ずよくないことが起きるもんです)
「激安1万円でコース走れるようにしたよ。あんたを入れて既に数名申し込みを受けてる。たった1万円で走れるんやったら安いもんやろ。いや、別に本気ださんでもいいんや。ツーリングのつもりで走っちょくれ。抜くときは勝手にみんな抜いていくから。タイヤも換えたばっかしやし、丁度いいやん。他にも希望者がおらんかどうか文章考えてWEBで募っちょくれ。んじゃよろしく。」(プチッ、ツー、ツー、ツー、) [多少誇張コミ] |
って、私の意志はどこに反映されるんです!? 何か今回、嫌な予感がするんです。そう、無茶してとんでもないことになりそうな。それが車両保険の効かないサーキットでの事故なんて嫌ですう。脳裏に昔オートポリスの第1コーナーで大スピンやらかしてイン側に飛び出したことを思い出します。その時はよくわかんなかったんですが、それってとっても危ないことだったようで。こりゃなんとしても安全に走って無事に戻ってこなけりゃなりません。タイムなんてどうでもいいです。ただの人寄せパンダでいいから、誰も私にコース上で絡まないでくださいね〜。
私のおろおろした気持ちには、関係なくトレーラーイトウさんが手慣れた手つきで、ヘッドライトをはずしてます。「ボクも久しぶりだから楽しみですね〜。気持ちよく走りましょうね。」と笑っています。でも、どんな励ましも私の気持ちを明るくしてはくれません。
皆、ちゃくちゃくと準備に取り組んでいます。ここで突然、名案がひらめきました(^○^)一緒に来たHIROさんはレースの申し込みをしていません。でも、彼は気になっていたエンジンの調子も戻って参加したい気持ち山盛りでちゃんとヘルメットやグローブも持ってきています。走りたくない私と入れ替わって彼が走ればいいんです。そうです、そうすれば私はみんなと楽しく歓談・観戦することができます。
我ながらいい考えだと、やっと来たananさんを捕まえ「HIROさんが走ってみたいというから、私と入れ替わりということでヨロシク!」と宣言すると、「あ、そう。じゃあ当日参加させてもらえるかどうか聞いてくるね。他の一般の走行会と違って、(7乗りはみんな顔なじみだから)問題ないと思うけど。」と言ってくれました。しかし、戻ってきた彼が言ったのは、「HIROさん、追加で走れるよ。oceanさんも負けられんなあ。」だって。クスン(*_*)
青のスポール・スピダーの姿も見えます。このマシンのオーナーは私の知り合いです。楽しく走ってるんですねえ。
ここでまた一つ、悪い予感が助長されるできごとがありました。走りの参考にしようと思って持ってきたストップウォッチつきの時計が電池切れで動かなくなってしまったのです。これでは走っている最中にペースがつかめません。せめて練習時のタイムを誰か計ってもらえないだろうかと思っていた矢先、顔なじみの方々が到着してこられました。ああ、よかった。レース参加以外のミーティング参加者の皆さんです。「凄いッスね。今日は走るんですね。」とにこやかに話しかけられても、私の口から出るのは気弱なボヤキだけ。周囲に気を配る余裕なんて全くありません。
やっと今日、初めてお会いできた方も何名かいらっしゃいましたが、ほとんど私は上の空。今思い返しても申し訳なさでいっぱいです。許してくださいませm(_ _)m
とりあえずの練習走行時間。後ろの方に並んでと思っていたけれど、押し出されるように前の方へ並んでしまいました。
もそもそとやる気の起きない私を励ますかのように、吉川さんたちがテキパキとゼッケン貼りなどを手伝ってくださいました。「バックランプにも忘れずにテーピングしてね。」と一通り見回してから吉川さんがアドバイスをくれました。(畏れ多いッス)
こんな感じだったかなあと、9年ぶりのサーキットを走ります。以前走ったときは全くグリップしないカチコチラジアルだったので、それに比べればタイヤはぬちょーとしていて安心できます。今回はレヴリミットを6500rpmに自己規制するつもりです。タイムは出ませんが、エンジンの寿命にはとっても有効です(^○^)
走り始めてやっとタイヤが暖まってきたかなという頃の第1コーナーの進入で私のインに飛び込んでいくマシンが一台。やや突っ込みすぎのラインのように感じたので、思い切り減速しました。やはり厳しかったのか目の前でスピンして横を向き私の進路をふさぎます。無事横をすり抜けながらホッと胸をなで下ろします。
とりあえず、大変なことにならずにピットに戻ることができました。他のマシンの迷惑にならないで済むなら、サーキットは最高です。コーナーの進入から立ち上がりまでアクセルで姿勢やラインをコントロールする楽しみは、やはり公道では得難いものです。
せっかくの新品タイヤがでろでろになっていくのが心配です。サーキットでタイムを出すために替えたのではないですから。上の写真は練習走行前の状態です。マウスを載せると練習走行が終わったときのタイヤの様子をみることができます。全然走り込んでいないのがバレバレです。
その1へ その3へ 今回の様子はananさんのHP むつごろ〜さんのブログ Garage LongmanのHPでも見ることができます。